定常円旋回



ドリフト教習所 入門編 定常円旋回

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車をクルクル回転できるようになったら、次は「定常円旋回」を行います。定常円旋回とは、きれいな円を描いて回転させます。 一時限目のように、アクセルを踏むだけでは車はきれいに回転しないことは体感できたと思います。説明よりもとりあえずやってみましょう。

まずは一時限目のように車を停車させてクラッチを切って1速に入れます。そして回転数を上げてクラッチを一気につないでリヤを滑らします。そしてアクセルを踏んで回転を維持させます。ここまでは同じです。


違うのはここからです。リヤが横に滑っているタイミングでハンドルを放して見ましょう。

するとどうでしょう?スルスルっとハンドルが勝手にカウンターを当ててくれます。これは車のサスペンションにはキャスター角が付いていて、動いているときは車自身が直進させよう、安定させようとしているからです。 難しい話は後にします。ハンドルを放した状態ではドリフトはできませんのでもう一度最初からやってみましょう。

イラストのように左周りで行います。上のイラストと同じようにリヤを滑らせます。そして先ほどハンドルから手を放したタイミングで、左手の手のひらの力をにぬいてください。 そして右手はハンドルを「下」方向に投げるような感じで放してください。これでハンドルは右側にカウンターをあててくれます。適度にカウンターが当てれば今度は左手を握ってください。これでカウンターは止まります。

イメージとしてはこんな感じになります。回転は左方向で説明しています。


まだリヤが滑っていないのでハンドルを左に切っています。右手でハンドルを押すような感じです。そしてリヤが流れた瞬間カウンター動作に入ります。


左手の力を抜きハンドルが滑るようにします。そして右手でハンドルを一気に回します。カウンターのときは逆で、手を引くような感じになります。そしてカウンターを止めたい位置で左手を握ればいいのです。


ハンドルから手を放さないのは、このように瞬時に動作ができるからです。もし右回転であれば手も逆になります。カウンターをあてるときは下方向に回すようにしてください。

カウンターをあてると今度は上のイラストのように1速で小さく回ります。同じ円で回れるようになりましょう。 これが定常円旋回です。定常円旋回にはアクセルとハンドルのコントロールが必要です。コントロールのイメージとしては、アクセルでリヤを流す。ハンドルでフロントを流すというイメージです。 アクセルを踏めば踏むほどリヤが出ますし、アクセルを緩めればリヤがグリップします。アクセルでとにかくリヤがグリップを回復しないようにコントロールして、ハンドルでスピンしないようにコントロールします。 又、グリップが回復しそうになるときハンドルを切り込んであげれば回転の半径は小さくなりますがリヤを滑らすことができます。アクセルを踏めばどうなるのか、ハンドルを切ればどうなるのか、いろいろ挑戦してみて何回も練習して体に覚えさせてください。


1速で定常円旋回ができるようになったら次は2速です。と言ってもいきなり2速からはじめるわけではありません。ここではドリフト中のシフトアップの練習も行います。

1速で定常円旋回を行っているときはアクセルを踏んだり放したりと、コントロールしているはずです。ここでアクセルを踏んで放すタイミングでクラッチを切り2速に入れます。2速に入るとアクセルを踏み込み回転数を上げてクラッチを一気につなぎます。 これで2速に入りましたので、今度は2速で定常円旋回を行います。

難しいのは2速に入れるタイミングです。1速から2速に移動している間はタイヤに駆動が伝わりません。アクセルを抜いた状態になるのです。つまりこの間にグリップが回復しないようにあらかじめ多めにアクセルを踏んで滑らせておきましょう。 ニュートラルから2速に入りにくい時は、ニュートラルで一度アクセルを吹かしてみてください。2速に入れた瞬間、回転数が一気に下がりますのでアクセルを元気よく踏んでください。

1速と違って回転半径が大きくなったと思います。ドリフトしているような感じになりましたね。実際のドリフトでも定常円旋回のコントロールを使うので必ずできるようになってください。ここから重要なのは目線です。 自分が走りたいラインをイメージして、しっかりと見てください。1秒先の自分がどこにいるのかをイメージして、目線を先に先にもって行くことが重要です。 目線は走る上で大変重要なので、しっかりと練習しましょう。危ないと思って壁の方を見ると、なぜか壁に向かって行ってしまいます。1速から2速に上げるのは慣れれば自然にできるようになると思います。

次はとめる方法を見てみましょう。まずは普通にとめます。

定常円旋回中にゆっくりアクセルを抜きます。リヤのグリップが回復してきますのでカウンターを少しづつ戻していきます。回転半径が徐々に小さくなってきます。アクセルを抜いてリヤをグリップさせます。同時にカウンターを戻すと完了です。 必ずカウンターを戻してください。あとは通常通りブレーキして止まります。


次はかっこいい?止まり方です。

これはコーナーの立ち上がりなどで使うのですが、カウンターを少し多めにきって、アクセルは戻さずたち上がります。車が徐々にまっすぐに走り出すので、アクセルをコントロールしながらカウンターを少しずつ戻していきます。するとコーナーを立ち上がるようにリヤがグリップを回復してくれます。 これは考えて行っても難しいので、目線を使いましょう。自分が立ち上がるラインをイメージして車をコントロールすればいいのです。何回か練習すればできるようになると思います。


最後に失敗例を紹介します。

定常円旋回中に、カウンターを戻さずに急激にアクセルをぬくと、このようになることがあります。3時限目の「八の字」のキッカケなのですが、もしこの先に壁などがあったら大変危険です。ドリフト用語では「おつりをもらった」などといいますが、大変かっこ悪いのでこうならないようにしましょう。 リヤがグリップをする前にはカウンターを戻すようにしましょう。

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